その優しさに泣けてくる

昨日、本当は映画を見に行く約束で

タツヤが肩と首の痛みを訴えているため
映画は中止にしました
タツヤの大きなガタイ
映画館のあの小さなシート
通常でも苦痛なのに
身体の痛みを抱えての2時間は拷問です

で、タツヤが最近見つけた（と思っていた）
お店で食事をしようと向かったら…
そこは歯医者さんで
しかもクリスマスシーズンには
歯科衛生士さんや助手さんが
サンタの格好をするということで噂のところ!!

確かにちょっとオシャレな外装なので
レストランと勘違いしがちですが
夜中に見かければ確かに間違う…


気を取り直して
静かな公園の畔に立つ
小さな創作洋食のお店に行きました


先客のおばさま８人のグループ
比較的品良く過ごされているので
そんなに気にならず
他には２名の予約があるだけで
静かな店内でした

静かすぎるので
否応なしにおばさまたちの会話も耳に入り
「乳がん検診でね…」
「あそこは総合病院なの？」
「保険の種類も色々あるものね」

んー
伊勢エビのグリルを目の前に
タツヤと顔を見合わせてちょっと苦笑い

私たちは
来年、どこへ行こうかと模索
ベトナム北部に行こうとか
わんこそばを食べに行こうとか
「わんこそばは宣言しないと連れて行かないよ」と言われ
じゃ、歳の数だけ、
豆じゃないんだから、とか
たわいもない会話

コースもラスト
最後のデザートにちょこっとだけ
柿が乗っていて…

こんなところに美味しそうな柿が
それも優美にちょこんとポーズをとりながら
こっちを見ていて…
うぅぅぅとデザートフォークを突き刺そうとした瞬間

「あなたは食べちゃダメ」

タツヤが撤去

や、優しいのか??
優しさなのか??
優しさだと信じたい!!

目の前で美味しそうに食べられる悲しさ…

久しぶりに
静かに食事の時間を過ごすことができて
映画を見に行くより
ずっとずっと良い時間でした

帰り際お店の方に
「クリスマスディナーにも是非お越しください。
旦那さんに連れてきて貰ってくださいね。」って。

もう歳も歳だし
ふたりでいると夫婦に間違えられることも多く
若い頃は
ふたりともそれとなくその場で否定したりしてたけど
もう否定することの意味も曖昧

こんなことを考える時間さえ
すごく久しぶり


たった今
タツヤから連絡
タツヤの家になってるミカン
たくさん取ってきてくれた

「柿も梨もリンゴもだめだと、
これくらいしか楽しみがないでしょ」って


夕食後
テレビを見ながら食べる果物を奪われた私に
せめても、の優しさ


泣けてくるぜぃ…


ミカン、ちょっと酸っぱいけど
美味しいよぉ…