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携帯を抱きしめて眠る夜 [impressions]

 



タツヤは 

ずっと忙しくしているらしく

平日は私の部屋には寄らずに帰宅していた。

ここのところのお決まりが

金曜の夜、仕事帰りに飲みに行き

そのまま土曜の朝方になって

私の部屋に転がり込むパターン。



まったく。

それでも安心して転がり込むことのできる場所が

それなりの役目を果たしているのなら

それでいいのかな、とも思う。



 

かつて

タツヤと別れたばかりの頃は

鳴らない携帯を抱きしめて眠る夜があった。

今の私は

その頃のことを忘れてはいけないと思う。



ひとりで歩くということ

ひとりで生きていくということ

自分の目標をもつということ

誰でもない

自分の人生を生きるということ



あの頃 ようやく

その大切さ、その意味に気付くことができた。

 

 

タツヤがいても、いなくても。

私の生活は私のもので。

それをきちんとしたものにすることで

タツヤの存在価値も大きくなっている。



 

あの

携帯を抱きしめて眠った夜

あの夜から

タツヤは私の元彼になった。

 

そして今

私の傍らで眠るタツヤは

元彼でありながら

良き私の理解者となっている。

もちろん

私もタツヤの理解者でいたいと願う。



 

  おはよう

  今日も朝イチの新幹線で出張。

  昨日の出張先のお土産は

  もうすこし待っててね。

  今日もお互い頑張ろう!





朝イチMail

携帯が枕元で鳴っていた。



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