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その花の名前を私は知らない [ambiguous]

 

仕事でクライエントの事務所に出向く。
電話での応対は何度もしているけど
ご本人に会うのは初めて。
もちろん、事務所へ伺うのも初めて。
 

道端には秋を彩る花。
時間に追われた車から吐き出される風に
何も語らず揺られている。 
 

 

クライエントは電話での対応のとおり
とても感じのいい方だった。
事務所もとても清潔感にあふれ
人柄を現すかのように穏やかだった。
緊張感というより、迎え入れてくれる空気。
私の事務所とは全く空気が違う。 
  

 



私は小さな事務所に閉じこもり
いつまで経っても愚痴の連続。
これじゃいけない、ってもがいてみても
八方塞がりなのは変わりない。 
 

 

勉強もしていない。
今度の日曜日は模試なのに。
 

その他の活動に関する自主勉強会は充実。
必ずココロに落ちるモノがあり
それが自分の身に染み込んでいくのがわかる。
 

私は、何も知らない。
知らなくちゃいけないこと、沢山あるのに。


知ることから逃げている気もする。
知れば知るだけ“面倒なこと”が増え
そこに頼るだけ頼って来る人もいるし。
人付き合いが苦手な私は
それを無意識に避けようとしている。
 

 

安心感に浸る楽さ加減に気付かないふりをしている。


タツヤの傍にいるときは
“普段は頑張っているけど ここでは安心できるの”
っていう私を演じればいい。


そんなことばかり知ってどうするんだろう。
他に知らなくちゃいけないこと、沢山あるのに。
 

 

 

クライエントの事務所の小さな出窓に小さな花。
ここに来るまでの道端に咲いていた花。


この花は季節の移り変わりを知っている。
私は
この花が季節の移り変わりを知っていること、知っている。
でも
その花の名前を私は知らない。
 

 

知っていることと、知らないこと、
知っていた方がいいこと、知っていなくちゃいけないこと。
 

 

 

 

私には知らないことが多すぎる。
 

 

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