不透明な距離感 [Tatsuya]
距離をおいて2年がたち
お互いに
お互いの時間を過ごしてきた
時折、些細な近況報告や
必要な物の受け渡しとか
本当に僅かな接触はしてきた
彼の傍らにあった私と
今の私
彼の傍らが当然だった私と
今の私
何も変わっていないはずなのに
危うい私を引き戻すかのように
彼からの連絡が入る
いつもそう
私が傷つかないようになのか
私が誰かを傷つけないようになのか
どうして
いつもそう…
透明なら透明でいたい
あなたに映らなくていい
今の私は
その不透明な距離感に戸惑っている
大丈夫ですってば。 [ambiguous]
わたしだって良い歳したおとなですよ。
わかってますよ。
大丈夫ですってば。
そんなに警戒しなくても。
わたしだって面倒なことはご免ですもの。
遊びを仕掛けたのはあなたでしょ?
わたしはそれに乗ってあげているだけ。
大丈夫ですってば。
情感を持たないあなたに
情感で訴えようなんてしないから。
大丈夫ですってば。
わたしだって
あそびとまじめの区別くらいつきます、って。
小心者なのに
大きな事言うから
自分で自分の首絞めているのよ、
わからないの?
大丈夫ですってば。
あなたが思うほど
わたし馬鹿じゃない。
いつも、そう いまも、そう [sensitivity]
いつもそう
私が揺れると
違う何かが現れる
いつもそう
そうして
私はますます揺れてしまう
戻るべきところ
戻ることを望んできたところ
そこに近づいては
ゆれる波に巻き込まれ
とおく陽のさす方向をさがしてしまう
いっときの安らぎのためであっても
それは流されてきたボートのように
あてもなく
ゆれてゆれて
たどり着くさきなどわかりえない
いつも、そう
わかり始めた途端
何かが私のまえに現れる
いまも、そう